大阪市における特区民泊の今後の制限方向について

令和7年7月25日に大阪市において、「民泊をはじめとする宿泊対策PT」会議が開催されました。

大阪市においては特に特区民泊の増加に伴い、多くの苦情が市に寄せられていることから、今後の民泊のありかたについて再検討(新規開業の制限を含む)していくこととなりました。

第1回の会議資料はこちらになります。

法令の変更や国との協議などが必要となるもので主な検討内容は以下の通りです(大阪市資料をもとにした概要)

1.特区民泊の可能な用途地域を制限する。
  ・「住居地域」での特区民泊の新規営業を認めない方向性で検討
2.運営者に求める苦情対応を含む宿泊管理規定を追加
3.違反者に対する処分ルールの規定
4.既存の全民泊施設に対するスクリーニング調査の実施
   ・苦情対応状況
   ・申告内容の確認
5.海外居住事業者に対する対策(国内代行業者への指導権限の付与の仕組みづくり)
6.2泊3日以上からの宿泊という特区民泊のルール徹底(事業予約サイトの仕様義務付け等)

(住宅宿泊事業)届出8申請完了しました~①届出住宅の図面~

大阪市に届出を行った住宅宿泊事業8申請(8室)が届出受理されました。
特区民泊や旅館業申請と異なり、提出後の保健所現地確認がありませんので、提出後5営業日での届出受理となりました
今回はマンション内の8室を住宅宿泊事業としてそれぞれ届出を行いました。
客室面積が25㎡(壁芯)あれば、大阪市であれば「特区民泊」で申請されることが多いですが、今回は24㎡しかないため、住宅宿泊事業での提出となっています。


さて、住宅宿泊事業でポイントの一つが届出住宅の図面になります。
今回は簡単にこの図面をみておきましょう。
「居室、宿泊室、宿泊者の使用に供する部分」のそれぞれの床面積」という図面を作成する必要がありますが、これを申請者の方がご自身で作成される際には、少し戸惑われるのではないでしょうか
下に実際の図面を掲示してみます。

DSC_1372

①通常、建物の平面図は壁芯で寸法が書かれていますので、これを内寸で計測する必要があります(居室面積)。
②今回のマンションの場合には、居室はクローゼットを除いた部分となりました。これは内寸で計算します。
※「宿泊者の占有でない台所、浴室、便所、洗面、廊下」と「押し入れや「床の間」を面積から除く
③客室の内、宿泊者が就寝するために使用する面積を計算する。これが宿泊室の面積になります。図では青色マーカー部分です。これは壁芯で計算します
④宿泊者が使用する面積から、宿泊室の面積を差し引きます。壁芯で計算します。図では赤色マーカー部分です。

今回のマンションタイプの部屋では、このような方法で図面を作成していきます。
申請に必要な図面では上記以外にも「安全措置の実施内容」を記載した平面図も必要となります。これについては機会を改めてご紹介したいと思います。

当事務所では、「ホテル旅館業」「特区民泊」「住宅宿泊事業」のそれぞれの申請を承っております。特区民泊制度が始まった時期より申請に携わっております。
民泊申請をご検討の方は、下記又はメールにてご連絡をお願いいたします。
お問い合わせ

MAIL:info●office-hosokawa.com  ※●を@に修正して送信ください。
細川行政書士事務所
東大阪市本町10-19

(民泊補助金)大阪府大阪府宿泊施設のおもてなし環境整備促進事業

今回は、大阪府で現在受付中の宿泊事業に対する補助金をご紹介いたします。
「旅館業」「特区民泊」「住宅宿泊事業」が対象となりますが、それぞれで補助対象や補助金額が異なりますので、下記に比較してまとめてみました。

特に特区民泊の申請を予定討されている事業者の方は「消防設備」費用が補助対象となりますので検討されてみてはいかがでしょうか。

<申請期間>
  令和5年8月28日(月曜日)から令和6年2月29日(木曜日)まで

〈補 助 対 象 期 間〉
交付決定後から令和6年3月31日(日)まで
※交付決定を受けた事業は、事業に関する納品、支払い等のすべてについて、 令和6年3月31日までに完了させる必要があります。

※特区民泊、住宅宿泊事業で特区認定予定事業者(又は住宅宿泊事業届出予定事業者)は令和6年3月31日までに認定(又は届出番号の通知)を受ける必要があります。

〈許可事業分類による内容比較〉

 
旅館業
特区民泊
住宅宿泊事業
〈補助対象者〉 大阪府内で宿泊施設設(ホテル、旅館、簡易宿所等)の営業許可を受けた者

・大阪府内の特区民泊施設における特定認定を受けた事業者

・大阪府内の特区民泊施設における特定認定を年度内に受けようとする事業者

・大阪府内の新法民泊施設における届出番号の通知を受けた事業者

・大阪府内の新法民泊施設における事業届出を年度内に行おうとする事業者

〈補助対象事業〉
ア インバウンド受入対応に係る事業

1 施設の案内表示、室内設備の利用案内等の多言語対応

2 パンフレット、ホームページ等の広報物の多言語対応

3 オペレーターの導入又はタブレット端末等の多言語補助機器の整備

4 館内及び客室内のテレビの国際放送設備の整備

5 インバウンド受入対応に係る人材育成(研修等)

6 パスポートリーダーの整備

1 施設の案内表示、室内設備の利用案内等の多言語対応

2 パンフレット、ホームページ等の広報物の多言語対応

 

 

 

 

 

 

 

 

1 施設の案内表示、室内設備の利用案内等の多言語対応

2 パンフレット、ホームページ等の広報物の多言語対応

 

 

 

 

 

 

 

 

〈補助対象事業〉イ 宿泊客の利便性や満足度向上に係る事業

1 館内及び客室内におけるWi-Fi整備

2 館内及び客室内のトイレの洋式化、洋式トイレの増設

3 キャッシュレス決済端末の導入

4 施設の案内表示や室内設備の利用案内等の点字対応、音声案内などのユニバーサルデザイン化

1 居室内のWi-Fi整備

2 キャッシュレス決済端末の導入

 

 

 

 

 

 

 

1 キャッシュレス決済端末の導入

〈補助対象事業〉ウ 特定認定の取得に係る事業
※認定予定事業者に限る
 

1 消防設備の整備(自動火災報知設備、誘導灯、スプリンクラー設備の整備)

2 建築基準法上の整備(非常用照明器具、防火用間仕切壁)

 
〈補助対象事業〉
エ 災害時対応に係る事業

1 災害情報及び避難誘導に関する情報の多言語、視覚化対応

2 災害情報等伝達設備、機器の導入

3 非常用電源装置、情報端末への電源供給機器の導入

1 災害情報及び避難誘導に関する情報の多言語、視覚化対応

2 災害情報等伝達設備、機器の導入

3 非常用電源装置、情報端末への電源供給機器の導入

1 災害情報及び避難誘導に関する情報の多言語、視覚化対応

2 災害情報等伝達設備、機器の導入

3 非常用電源装置、情報端末への電源供給機器の導入

〈補助対象事業〉エ デジタル技術を活用した生産性向上や業務効率化に係る事業

1 宿泊予約システム・ホテル管理システム等の導入

2 チャットボット・24時間AIコンシェルジュ等の導入

3 受付・案内・清掃・運搬等のロボットの導入

4 セルフチェックイン・セルフチェックアウト機、自動精算機の設置

 

 

<補助率>

補助対象経費の
1/2以内(上限200万円)

ただし、災害時における旅行者の受入れ等に関する協定を、大阪府又は市町村と締結している宿泊施設は補助対象経費の2/3以内

補助対象経費の
1/2以内(上限40万円)

補助対象経費の
1/2以内(上限40万円)

〈住宅宿泊事業法〉大阪市の条例の成立内容(規制内容及び周辺説明等)

住宅宿泊事業に関し、大阪市の条例が成立しましたので、その内容を改めて掲載いたします。

1.住宅宿泊事業の実施を制限する区域 (第2条)

区域 制限期間期間
1.住居専用地域
届出住宅の敷地が幅員4m以上の道路(道路法に定める道路及び市長が道路法に準ずると定めた道路)に接している区域を除く。これを「特例区域」という。
すべての期間
2.小学校の敷地の周囲100m以内の区域 月曜正午から金曜正午まで

(2)届出住宅の敷地の全部又は過半が住居専用地域にあるが、その敷地が特例区域にあたる場合には、それを証明するため次の資料を提出しなければならない。(第4条)
・住宅宿泊事業を営もうとする住宅の敷地の全部又は一部が幅員4m以上の道路(道路法による道路以外の場合には、一般交通の用に供する道路)に接することを明らかにする資料。
※4月7日現在、上記の資料の具体的内容は示されていません。

※ただし、住宅宿泊事業法第11条第1項のいずれにも該当しない場合には、上記規制の対象となりません。
(1)届出住宅の居室数が5室を越えない。
(2)届出住宅に人を宿泊させる間、事業者が届出住宅を不在にしない。(「家主居住型」の民泊である)。
  なお、不在については、日常生活上の行為のための不在(原則1時間)を除く。

2.周辺住民及び施設に対する事前説明とその範囲  ※(1)及び(2) (第3条)
(1)周辺住民
 ①届出住宅がある建築物に居住する住民
 ②その敷地が対象建築物の敷地に隣接する建築物(対象建築物との外壁間の水平距離が20mを超えるものを除く)に居住する住民
 ③対象建築物の敷地が道路、公園その他の空地(以下「道路等」という)に接する場合にあっては、当該敷地と道路等との境界線からの水平距離が10mの範囲内にその敷地の全部または一部が存する建築物に居住する住民
(対象建築物との外壁間の水平距離が20mを超えるものを除く。)

上記②③を図示すると以下のとおりです。
(大阪市特区民泊ガイドラインの図を参考)
注)省令第10条の3第1項は、特区民泊に係る記載です。

(2)施設(「届出住宅のある建築物内の施設」及び「届出住宅のある建築物の敷地の周囲100m以内の区域に敷地がある施設」)
①幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校)
②助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童厚生施設児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設児童自立支援施設及び児童家庭支援センター
③専修学校及び各種学校のうち、18歳未満の者の利用に供されるもの。青少年の育成を図るための施設、スポーツ施設その他の施設で、国、地方公共団体又は公共的団体が設置するもののうち、主として18歳未満の者の利用に供される施設又は多数の18歳未満の者の利用に
供される施設で市長が指定するもの。

大阪市添付書類の様式
〇住宅宿泊事業を営む旨の事前説明について(様式1)

3.宿泊者の旅券の写しの保存 (第6条)
宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人の場合には、旅券のコピー(氏名・国籍及び旅券番号記載部分)を、宿泊者名簿とともに3年間保存しなければならない。

4.苦情等への対応 (第7条)
住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺住民から苦情又は問い合わせがあった時は、必要に応じて速やかに当該住宅に赴き、対応しなければならない。

5.関係法令遵守 (第8条)
住宅宿泊事業を営むにあたっては、住宅宿泊事業法、国家戦略特別区域法、風俗営業法、その他関係法令を遵守しなければならない。

民泊と「水質汚濁防止法の届出」について。

旅館・ホテル及び民泊事業を行う場合には、水質汚濁防止法の届出が必要となるケースがあります。

水質汚濁防止法の届出が必要又は不要は以下のケースにて判断します。
※注)なお、分流式の下水道に排水を放流することで、「特定施設」に該当した場合には、下水道法に基づく届け出も必要となります。

戸建等で民泊を営業する場合 施設排水を下水道に放流しない(し尿浄化槽等で処理する) 水質汚濁防止法に基づく特定施設(第66の3号)の届出が必要です。
施設排水を分流式下水道(雨水以外の汚水のみ処理する下水道)に放流する
施設排水を合流式下水道(雨水も含めたすべての水を処理する下水道)に放流する 水質汚濁防止法に基づく手続きは不要です
集合住宅の一室で民泊を営業する場合 施設排水を下水道に放流しない(マンションのし尿浄化槽等で処理する)場合 (1) 民泊の営業者(住宅宿泊事業者)と汚水処理施設(マンションのし尿浄化槽等)の設置者が別の場合
汚水処理施設の設置者(マンション管理組合、集合住宅所有等)が、汚水処理施設に係る水質汚濁防止法に基づく特定施設(第74号)の届出を提出してください。

〇住宅宿泊事業者は、汚水処理施設設置者に、水質汚濁防止法の届出が必要な旨伝える。

〇汚水処理施設が501人槽以上の浄化槽の場合は、既に水質汚濁防止法特定施設(第72号)として届出済みですので、新たな届出は不要

(2)民泊の営業者(住宅宿泊事業者)と汚水処理施設(マンションのし尿浄化槽等)の設置者が同一の場合
住宅宿泊事業者が汚水処理施設に係る水質汚濁防止法に基づく特定施設(第66の3号)の届出を提出してください。
施設排水を下水道に放流する場合(分流式・合流式) 水質汚濁防止法に基づく手続きは不要

大阪市において、民泊(特区民泊、住宅宿泊事業)を行う場合に、水質汚濁防止法の届出が必要となるのは、「下水道が分流式(汚水用管路と雨水用管路の2つを埋設し、汚水は下水処理場へ、雨水は川や海に直接放流)」の場合ということでした。

大阪市の場合、ほとんどの地域が合流式の下水道となっており、大部分の地域で水質汚濁防止法の届出が不要となっています。(分流式になっているのは、西淀川区中島2丁目や北区の淀川リバーサイド、OAP、OBP、港区海岸通2丁目等、あまり一般住居のない地域です。)
民泊における大阪市水質汚濁防止法届出必要地域

ただ、念のため、民泊施設の企画段階で各自治体の環境対策関連の窓口に確認をされたほうがよいでしょう。

大阪府住宅宿泊事業等に係る水質汚濁防止法の届出等について