(例)①カメラが得意な「民泊」事業者が、近隣の観光地をゲストと同行しての撮影会を企画し、日帰りタクシー(又は貸切バス)ツアーを実行する場合。
民泊事業者が、様々な体験サービスを企画し実行する場合には、他の法律に触れることがないように注意する必要があります。特に移動を伴うツアー形式の体験の場合には、旅行業法に抵触しないよう注意を行わなければなりません。
A.旅行業に該当する場合
タクシー費用・貸切バス費用、旅先での食事代、撮影料などを含めた参加費をあらかじめ設定して参加者を募集する場合
費用案内例)「着物を着用しての、京都・奈良撮影ツアー」
費用: 〇〇円(タクシー代又はバス代、撮影料を含)
B.旅行業に該当しない場合
・運送の関係しないサービスの提供
・運送機関の手配は行わない日帰りで現地集合・解散するツアーを募集
する場合
・テーマパーク、遊園地、観劇、イベント、スポーツ観戦などの入場券
のみの販売とサービスのみの手配を行う場合
・宿泊事業者自らが自社で行う運送等サービスの提供
費用案内例)①「本格的振袖を着用しての、京都撮影ツアー」
費用:〇〇円(プロのカメラマンによる同行撮影)
現地までの運送費用は旅行者ご自身で運送会社とご契約の
上、お支払いが必要です。
(具体例:路線バス、電車を使用し、ゲストと共に移動。
タクシーの手配のサポートを行う。)
【解説】
外部業者に有償で送迎を委託するということは、「旅行者が運送サービスの提供をうけることについて、ホテルが報酬を得て仲介し、取り次いでいる」という状態になります。ポイントは「報酬を得て」の部分になります。「報酬」は、仮に運送会社に支払う費用を民泊事業者が前払いしているだけであっても、一旦、民泊事業者が運送費用を徴収したのであれば、これは「報酬」とみなされます。ですから、運送業者に支払う実費分だけを旅行者から徴収したとしても「報酬を得て行った運送サービス」ということになります。
また、旅行者からは金員を徴収しないが、旅行サービス提供者から送客による割り戻し(キックバック)を受けた場合、この割り戻しは報酬に該当します。
加えて「無料送迎サービス」と銘打っても、運送会社に支払う運送費が宿泊代の中に含まれているようなケースも報酬を得ていることになりますので注意が必要です。
参考資料:旅行業法施行要領 (平成 17 年2月 28 日)
1 旅行業について(法第2条第1項)
3) 法では旅行業務について、基本的旅行業務(運送又は宿泊についての業務)と付随的旅行業務(運送又は宿泊以外のサービスについての業務)とに区分し、後者は前者に付随して行う場合に限り旅行業務となるとしている。したがって、以下の場合には、旅行業に該当しない。
(例)① 運送事業者が自ら行う日帰り旅行、宿泊事業者自らが行うゴルフや果樹園との提携企画等運送又は宿泊サービスを自ら提供し(代理、媒介、取次ぎ、利用のいずれにも該当せず、したがって基本的旅行業務とならない。)これに運送、宿泊以外のサービスの手配を付加して販売する場合
○募集広告の表示方法及び料金収受について
旅行業者又は旅行業者代理業者以外の民泊事業者が、旅行業務に該当しないイベント等の企画を実施する場合の募集広告の表示等については、以下の例によります。
(例)交流ツアー
交流行事-イベント事業者(民泊事業者)
旅行企画・実施-旅行業者
※注意点
イ) 旅行の企画・実施部分については、旅行業者が全ての責任を負うことを明示すること。
ロ) 旅行の企画・実施部分の代金を分離し、参加者は、前記の料金を旅行業者に支払うべきものとすること。
ハ) 募集広告上の表示は、原則として以下の事例のいずれかに従うこと。
(例)① 旅行の企画・実施者を旅行業者のみとし、費用も全額を旅行業者に支払う。
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共同企画 イベント事業者、旅行業者 旅行企画・実施 旅行業者 費用 全費用 費用支払先 旅行業者 |
② 費用、責任をイベント部分と旅行の企画・実施部分に分けて表示する。
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イベント企画 イベント事業者 旅行企画・実施 旅行業者 費用 イベント参加費用と旅行費用を分離表示 費用支払先 旅行費用については旅行業者 |
③ 旅行の企画・実施部分を含まない企画にしてしまう。
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イベント企画 イベント事業者 費用 イベント参加費用のみ 旅行についての表示例 (イベント参加者は○○旅行業者が旅行企画・実施する××ツアー (△△円)に参加できます。(別途旅行業者に申し込んで頂きます。) |